かけらふのこへ


 

 

 

「暑い」文句を言えばやけに涼しい顔で「夏ですから」と返された。当然のことなので何も言わずにいると、ふとが笑う。風魔が傍、というか膝の上に頭を乗せて寝そべっているのに笑うなど、一体どういう風の吹き回しだ。それでもやや嬉しくなって風魔は一時暑さを忘れる…わけはないが、とにかく機嫌はよくなった。察したのかが「どうしたんです?」と首を傾げる。今笑ったことなど気付いていないようだ。小太郎が「何を考えていた?」と問うと、嫌そうな顔をする。それが愉快で「言え」と催促。は少し迷って「今更なんですけどね」と前置き。「夏といえば怪談じゃないですか」寒気だか悪寒だかで涼むのはどうかと思うが、とりあえず風物詩。頷くと、やや意外そうな顔をされたが、気にせず続けることにしたようだ。「暑いと言うから怪談でも読めと思いついたはいいけれど、貴方に今更魔性の類の話をして怖がるものかと」「同類といいたいのか?」「いえ、普通に怖がりますか?」「否」「でしょう」とが目を細めて笑った。「は」「はい?」「怖がるか?」一瞬での表情から色が消えた。

ということで、の怖がって怯え泣きじゃくった顔が見たくなった小太郎によって急遽催された怪談語り。心底迷惑そうにしているのは服部半蔵くらいなもので、後の家康、忠勝、稲、信之、正信に至っては嬉々として楽しそう。かと思えば、今にも倒れそうなほどに蒼白になったは逃げることも出来ずぎゅっと、稲の袖を掴んで寄り添い離れない。場所を変れと思った男が二人ほど。言わずもがな。
さま、それほど苦手なのでしたら席を外されては…」
しっかりとしがみ付かれることは嫌ではないにしても、不憫でならない。稲が優しく言うと、が首を振った。「そこの馬鹿が参加しないと寝るとき話すって」
鬼である。
小太郎は愉快そうかと思えば、意外なことに不機嫌面だ。これでは暫く警戒されると気付いたか、それとも稲の傍にしがみついているのが気に食わないのか、自分に頼ることがないと今更悟ったのか。まぁ全てだろう。畳み十二畳ほどの部屋に、忍び頭領が二人、天下人が一人、武士が一人、姫が一人、軍師が二人と奇妙な面子。広さは中々にあるので空白が夏の夜に寒々しい。
仕切りを任された正信が締め切った部屋に蝋燭に火を付けていく。暗がりにぼんやりと顔が浮かぶ。蝋燭は八本。
「では百話物語を致しましょう」
「人数と蝋燭が足らぬぞ?」
忠勝が首を傾げた。さすがの彼でも百羽物語仕様は知っていた。あれは十人以上いなくてはできぬもの。八人では一人十二話以上しなければならない上に、蝋燭百本いる。
「略式でしょう」
と、稲が父の知識を補う。
「四隅に二人ずつ座って、一人話を終えるごとに一本火を消すんです。四方がそれぞれに鬼門、裏鬼門となっていて、あやかしの類を呼び出すには丁度いいのですよ」
にっこりと優しく稲は震えているの頭を撫でた。不安そうに説明を聞いていたが、ふわっ、と安心して頷く…が、そこでふと、稲から身を離す。
「詳しい…ですね?」
たらり、冷や汗を流し、は恐る恐る、縋っていた、一番の味方と信じた姫に問いかける。
「私、子供のころから怪談話が大好きなんです。ねぇ、父上」
「うむ。盆に寺泊をしては夜になると肝試しに行っておったな」
懐かしいと浸る父子。は本能的に「稲が一番やばかった」と悟って離れる。するとすかさず、稲の斜め前に腰を下ろしていた小太郎が、文字通り腕を伸ばしてを拘束した。それだけで既に怪談じゃないのか、とは誰も言わない。
それで、四隅にまず半蔵・家康。忠勝・稲。正信・信之。・小太郎。となった。はこの際風魔でもいいと諦めたか、それとも稲以外は、男、しがみつけば後が怖いと悟ったか。大人しく小太郎を背中にしがみ付かせている。どころか前に回された腕をぎゅっと掴んでいるあたり、よほど怖いらしい。離す順番は半蔵、忠勝、正信、が一週目。家康、稲、信之、小太郎となった。
「其れでは拙者から」
乗り気ではなかったワリには、やけに雰囲気のある声(素)で半蔵が口火を切った。
「伊賀の幼年訓練場に伝わる怪奇なり」
実話らしい、ということに興味津々稲姫と、早くも耳を塞ぎにかかり小太郎に腕を押さえつけられたはあまりに対照的。半蔵は蝋燭の明かりが揺らめく中、続ける。
「今宵のように夏の暑い夜のこと。忍び館の一室は夜になると手習い場となる。
その日もまた、見習い童が十数人、机を並べて教える上忍の告げる言葉を書に写してゆく。
少年の一人がふと顔を上げると、斜め前の童女が妙な動きをしているのを見た。左手で背中の辺りをしきりに払っているのだ。
どうしたのであろうかと、少年が暫くその動きを見ていると、童女が急に振り返り、鋭く言った。
『止めよ!』とな。
周りの者どもは驚いたように童女に視線を向ける。すると、童女の顔が驚きに凍りついた。その眼はしっかりと、誰もおらぬ、背後の空席を見ていた。突然立ち上がり、悲鳴を上げた。
習い場は騒然となった。
上忍が『どうした?』と泣きだした童女をなだめると、しゃくりあげながら童女は話し始める。
『先ほどから襟首をひっぱられる』と言う。
払っていたが、それでもしつこくするので振り返り、誰もいなかったのだという。童女の背後の席にいつも座っていた、先日お役目で死んだ級友がよくやる悪戯だったのだ」
ふぅ、っと半蔵が蝋燭を吹き消した。突如、きゃあっ!!!との悲鳴と、心底楽しそうな小太郎の含み笑いが聞こえた。
さま?」
さして怖がってもいない稲が対極線状にいるに声をかける。
「火が消えると同時に首筋を撫でてやった」
悦に浸る、というような風魔に稲が眦を上げた。
「なんてことを!風魔殿!それではさまが泣くのも無理はありません!やっぱり、稲と変りなさい!!」
いや、それはそれできっとは拒否るだろうと、先ほどのにっこり笑いを思い周囲は思った。事実は怖がりはするものの、小太郎から離れない。賢明だ。
「断る。さぁ、さっさと次を語るがよい」
風魔とてを離す気は全くない。足を入れてまでがっりちと拘束していては稲もどうしようもなく、素直に座って、父を振り返る。
「次は父上ですね」
いかつい顔の武人は頷いて、蝋燭に顔を近づけた。
「拙者の話は、人づてより聞いたのでそれほどの怖さはないのだが…」
ふむ、と娘のわりには詳しくないらしい。思い出すように、うろ覚えながら、ゆっくりと語りだす。
「駕籠部屋の狐火という噂があるそうだ。
ある時、厠に立った女が駕籠部屋の前を通りかかると、部屋の前がボウッと明るくなっているのに気付いた。見ると、怪しげな光と火とも似つかぬものが灯っていたらしい。
慌てて人を呼ぼうとすると、その火はたちまちに消えてしまう。以来、あれは狐の仕業、狐火に違いないという噂が立った」
そこで忠勝は蝋燭の火を吹き消した。も「終わり?」と小太郎を見上げるほど短い。「が怯えぬ」と小太郎もやや不満顔。稲などは「微妙です」と納得行かぬ様子。クレームつけられても忠勝はそれ以上は知らぬと困り顔。すると次の正信が声を上げた。「私の話は、その続きです」やけに、蝋燭明かりに似合う男だ。
「それから数日して、その女中がいなくなりました。どこを探しても見つからぬのです。しかも、外に出た気配もない…そしてとうとう二日経ち、三日経ちと、それでも女中は見つからない。
ところが、四日目の晩。駕籠部屋を調べに行った数人の女中が、何とも言えぬ悪臭に気付いたそうで、そしてふと見ると、並んでいる駕籠の一つが内側から光っているのです。
女中たちは震えながら、明かりの漏れている駕籠に近づき……及び腰で駕籠を開け…
ぎゃぁっ!…と絶叫しました」「きゃぁっ!!」
正信のしわがれた悲鳴より、高い悲鳴が隅から上がった。今度は小太郎は何もしていない。正信の声に釣られたのだ。びくっ、と震えたをしっかり抱きしめて、小太郎は続きを促す。
「―――と、中から血まみれの女中の死体が転がり出てきました。それは、いなくなった女中であったそうです。ぞっとするような苦悶の表情を浮かべていたとか…
女中たちは、もしかすると狐火を見て、その狐に口封じされたのではないか、と…」
話し終え、正信はふぅっと蝋燭を消した。
「三河の岡崎城で流れた噂でして、忠勝殿がご存知なのもその当時いたからでしょうな」と明るい声。しかし、三河に屋敷を持っているは笑えない。脳裏にはばっちりと、三河の城内地図が浮かんでいて厠と駕籠部屋の位置を正確に思い出してしまっていた。気付いて、小太郎が耳元で囁く。「厠に行けぬか?」、もういっそ気絶できたらという顔である。だが容赦なく「次はの番じゃな」と家康の催促。(しているわけではないが、同じこと)
マジでしなきゃダメですか?とは助けを求めるように半蔵を見て、小太郎の不況を買った。なるべく恐怖心を和らげるために密着していた男の体が不意にはなれ、背中がやけに寒々しくなる。はやや後悔し、小太郎を振り返るが「がんばれ」と取り合わない。今にも泣き出しそうな顔で、は蝋燭に近づいた。
「わ、わたしは…駿河、駿府城の「開かずの間」のことを…」
話す声は震えてか細い。
「駿河のお城は、長い歴史があり、その「開かずの間」には様々な噂があるそうです。わたしが、義元さまから直接お聞きしたのは…義元さまのお父君、義実さまのお話です…
ある時、数人の共を連れて、義実さまが廊下を歩いていると、開かずの間の前を通りかかりました。
するとその前に、見慣れぬ女中が座っているのです。なぜこんなところにと、目を奪われていると、女中は異様な雰囲気を出して、静かに平伏しています。黒紋付の、見慣れぬ方。
『あの女中は誰か?』
義実さまはその女中が気になって、問いかけました。けれど、義実さまが再び振り返ると、女中の姿はまるで宙にかき消えたようにないのです…そして、その女中を見たのは義実さまだけ…
それから数日後、義実さまは急な病でお亡くなりあそばしたそうです…」
話し終えて、は蝋燭を消した。薄っすらと滲んだ涙は、果たしてどちらの意味か。
「今のように、蒸し暑い夏の頃だったそうです…」
まぁ明らかに、恐怖というよりは義元を偲んでのものだろうと検討付ける一同。やっぱり小太郎は面白くないが、が本気で泣きそうなのでもう一度抱きしめる。ほっと、が安心したように息を吐いて小太郎に背中を預けてきた。それで絆されるのだからかわゆいもの。
一応第一周は終了。光量も当初の半分。既に時刻丑三つ時。いい加減寝てしまえればどんなに楽か。
「次は家康公か」
切り出しの小太郎の声。が縋るのでご満悦。ややむっとした半蔵の隣で、家康は心底、恐ろしげに口を開いた。
「これは、先日わしの身に起きたことなんじゃが…」
身近な体験談というのは最も恐ろしい。なまじ迫力があるだけに、周囲がごくり、と息を呑んだ。
「天下に泰平が来たものの、いつ何が必要になるかは判らん。わしは蓄えを絶やさぬようにと隠し場所を考えた。誰も知らなければ減ることもないしの。わしも忘れておけばよい。
そしてそこに蓄えを隠し、暫く経った。
わしのところに、妖艶な女子が現れたのじゃ。なにやら雅な言葉遣いに、艶やかな振る舞い。柔らかい声で「しゅぜんひょう」と耳元で囁くのだ。
はっ、として、目を覚ますとそこには女子はおらぬ。夢枕に天女が立ったようだ。
だが、あくる日蓄えの隠し場所に行くと、そこには貯めておいたはずの金子が一銭も…!!!」
「「「「「「っておい」」」」」」
「あれは弁天さまだったのだろう。わしの蓄えをお納めに…」
「この愚か者が」
ばしっ、と小太郎の伸びた腕が容赦なく家康の頭にクリーンヒット。半蔵はさすがに反応できたはずだが、あえて見過ごしたのは言うまでもない。稲は呆れ、忠勝は「殿ッ…」と涙し、正信は落胆。は「しゅぜんひょう、しゅうぜんひょう…しゅうぜんひよう?」と首を傾げた。まぁ皆の脳裏には間違いなく同じ人物が微笑して浮かんでいることだろう。もしかしなくても、徳川最大の敵は風魔じゃなくてアレなんじゃ?いや、あれはできれば関わらないほうがいいと、一時封印されかけた人外は呟く。
「では、次は私ですね?」
あぁ、ついに巡ってきてしまったか大本命。にっこりと、天女の如き美しい微笑み。戦場にいるより喜々としていないか?父は娘の怪談好きは一応知っていたけれど、こうして語り合うのは初めてで、やや戸惑う。はがちがちと、小太郎の胸に顔を押し付けて視界だけでも遮断しようと必死だ。
「これは私の体験談なのですが」と異例のリアリティ(先ほどのはノーカン)に、ほぅと半蔵や正信も関心を示す。家康はまだ沈んでいた。さて、と稲が蝋燭に顔を近づける。
「まだ私が小さかった頃、よく夏になるとお寺に泊まりに行きました。そこで、同じ年の、やはり定規見習いで預けられた子たちと夜遅くまで怪談話をし合ったものです。
そう、蝋燭を使わない百話物語ですね。お寺ということもあってか、そこでは頻繁に奇妙なことが起きました。
怖い話をすると霊が集まってくる、というものが正しいのかどうかはわかりませんけれどね。
ある年の夏、寝室で眠る五人の怪談好きで話が始まりました。けれど一人は、さまのように怖い話が苦手な方で…最初のうちは怖がっていたのですが、別に止めてくれとは言わなかったので私たちも構わずに怪談話を話し続けました。
二刻ほど、経った頃でしょうか?急に部屋の中が涼しくなったのです。
まだ暑さの残る暑中だというのに。
風の音はしません。風鈴も、揺れていないのに。
『あれ…?』
私はそこで、部屋の隅に煙が蟠っているように見える場所があると気付きました。人の頭くらいの大きさなんです。けれど、他の人たちには見えていないみたい…不思議に思って、暫くそれを見ていると、だんだんとその煙が分かれていくんです。
一刻ほどで八ツにも別れ、もうそのときには、それは疑うまでもない…人の顔だったのですよ」
フゥ…。稲の火が消えた。残る蝋燭は二本だけ。辺りは暗さを増した。
「あら?さま、どうしました?顔が真っ青ですけれど…」
「………っ」
慄いては最早言葉も出ない。
「そうそう、その首なんですけれどね、思い出してみると、私が最初に討ち取った…」
「きゃああぁああぁあ…!!」
皆まで言わず、は絶叫した。本日何度目?最初は面白がっていた正信や半蔵、忠勝も流石に気の毒になってきたが、本日発覚オカルト娘に三者三様に逆らえない。「よしよし」と普段とは完全に立場が逆転していると小太郎。あやすのが面白いらしい。
「それでは、次は私ですね」
残り二つの炎の片割れ。今まで只管沈黙、というか影薄い?真田長男が微笑んだ。どこか、あんたの女房に似ているよとは誰に言葉か。今までの存在感皆無が嘘のよう。揺らめく蝋燭の陽炎に、確かに映るのは優男のはず。え、何?ひょっとしてこの男ダークホース?周囲の困惑お構いなしに、信之は続ける。
「上田城の裏側には、雑木林の向こうに小さな広場があるのです。子供たちが時々遊ぶくらいで、あまり人は近づかない、静かなところです。
私は稲殿から頂いた文をひとり静かに読もうと、邪魔が入らぬその広場を思い出し、随分と久しぶりにそこへ行きました。相変わらず、ひっそりとした寂しいところです。
すると、その広場に妙なものがあったのですよ。何だと思います?
―――人の、手なのです。
白い、まるで殿のように色の白い綺麗な女性の右手が、地面からこう、生えているのです。
人でも埋まっているのかと思いましたが、そのワリには地面は掘り起こしたあともなく、苔も変化ないのです。
一体、これはなんなのだろうと疑問に思っていると、雑木林から落ち葉が流れてきて、その、白い手の上に乗りました。
―――そのとき、手が、動いたのですよ。
一瞬で手は拳を握り、掴んだものをそのまま下に引きずり込んでいきました。もし、私がその手を掴んでいたら、私は…」
ふぅっと、信之の顔が暗闇に見えなくなった。明かりは風魔のものだけ。稲はうっとりと夫を見詰めている。「そんなステキな体験をなさっていただなんて…」大将首を上げでもしないかぎり出さぬ、心底惚れ直したという声。これから孫の顔を見にちょくちょく上田に行くことになる忠勝は無言。
「手…」
自分の白い手をじっと見詰めてはふらっ、と意識を飛ばしかけた。だが怖く過ぎて意識は飛ばないらしい。「最後は風魔か」半蔵がやっと終わるとばかりに息を吐いたらしい。最早蝋燭の細明かりに互いの顔も見えぬ。風魔が最後になったのは、光のもとにを残すためだったのか。さて、風魔がにやりと笑った。爪で可愛い顔を傷つけぬように、と右手の平での顔を覆い隠し、左手で前の障子を指差した。
「その影は何だ?」
意外が振り向けば、同時に小太郎の蝋燭が消え、浮かび上がる…手、手、手、手、手。

絶叫。


「あれ?皆どうしたんですか?」
同時に耳も塞がれていたらしい、寝込む仲間を見下ろして、首を傾げる。打って変わって明るくなった室内。小太郎が火遁によって消えた蝋燭に再び火。は明るくなったので恐怖は半減。それでもまだ怖いのか、ぴったりと小太郎に身を寄せて困惑する。
「小太郎さま、最後何話したんですか?」
「何、ひとこと言うてみたまでよ」
楽しそうに言う小太郎。は完全に気絶した一同を心配しながらも、まぁ伸びてるだけだからいいかと結論。あくびを一度かみ殺し、目を擦る。丑三つ時などとっくに過ぎた。徹夜は得意だが今夜は精神的な疲労が多かった。早く寝よう。はた、と気付く。
「……頼まないとわたし一人寝?」
普段なら絶対頼んでも一人で寝かせてくれないこの男。問えばにやりと笑う。嫌な男だと思いながらも、結局縋るのは小太郎しかいない。
寝室に戻って布団に潜り込み、ちょいちょいと手招きをして「一緒に寝て下さい」と頼むと風魔の愉快そうなこと。それでもぎゅっと苦しくないほどに抱きしめられれば心地よいもの。
「風魔が妖かしからを守うてやろう」
やけにこの男が言うと説得力がある。けれど今夜の余韻はまだ残る。小さく慄く身体を気付かれ、恥じる。気遣うように、そっと耳元で小太郎の声が些やいた。
「震えて眠れ」


 



 

怪談話はホリックから。

 

最後のセリフは最後に「何これ運命?!」みたいに気付いたんですが、思えばこれを書くために延々とかいていたんじゃなかろうか…というくらいのマッチ。は怖いものが苦手ということで…まぁ目に見えるものしか信じないしね。本当は家康さんもオカルトマニアにしようと思ったんだけど、一個くらいギャグがあってもいいよね。
稲と信之さんは最強夫婦だと思い割れます。微笑コンビ。最強バンザイ!あー、私も眠い。

06/3/30 3時32分