ハンス兄さんと、静かな声が頭上から聞こえ、直立していた青年は僅かに目を細めた。と言って反射的にその声の方向をへ顔を動かすなどという愚行はせぬ。海軍本部奥にある白亜の美しい建物。貴賓が滞在するための館は先の戦争でもそれほど危害が出るわけでもなく、枢機顧問であるアーサー・ヴァスカヴィルが使用するにあたってなんぞの問題もなかった。海軍本部の奥に位置するこの場所であれば警備など必要はないというのに、気質なのかアーサー卿は当然のように子飼いの人間を置き、そしてそれに「何ぞ企みあり」と思われぬよう海軍から見張りの兵を借りている。そのあたりさすがは抜け目ない男。敵に回せば厄介と称され、そして知る人からは「といってできれば味方にもしたくない」と嫌煙されるだけはある。
コルデ・ハンスは長時間の見張りにより聊か集中力の途切れいている隣の海兵をちらりと一瞥してから、先ほどの声をこの男は聞いたのかと判じてみる。いや、おそらくは聞こえなかっただろう。透き通るような高音。と言って女性のものではない。変声期前の男児のみの特有の音域はコルデ・ハンスの耳だけを狙ってきていた。
ちらりと見た海兵はふわりふわりと2,3度欠伸。これで海軍本部の海兵が務まるのか。いや、そうではない。アーサー卿。そもそも海兵の見張りなんぞ期待しておらぬ。そこにいる、という、いや、いた、という事実のみを欲しているのだ。そしてそれを言ってしまえば、コルデ・ハンスの「見張りとしての能力」もやはり期待はされておらぬのだろう。
ハンスは先ほど通した海軍大将の姿を瞼に思い描く。遠目で見かけたことは多々あるが、先ほどのように間近で面したの初めてのこと。なるほど噂通りの、静止していてなお感じる猛々しさ、太い眉の意志の強さ、顰められた口元の厳格さなど、コルデ・ハンスは贔屓目や偏見なしに赤犬を評価できた。
今頃アーサー卿、さらには今回お忍びでこの館に滞在しているコルテス・コルヴィナス卿とやりあっているのだろうか。そのことを思う。そしてなぜ己が同席していないのかと、そういう心もあった。コルデ・ハンス。まだ年若くはあるけれど、それでもコルヴィナス卿が即位した歳よりは上だ。四候の貴族の振る舞いや義務を生まれたときから学んできた。つい数年前に祖父が亡くなり、その優秀さをアーサー卿に買われて父を抜いて当主の座についた。魔女の墓守に連なる魔女を知り、義務と責任も理解している。
それであるのにあのアーサー卿はハンスを今夜の集まりに同席させてはくれなかった。
「なぁ、ちょっと。ハンス兄さん。シカト?シカトとかマジ意味わかんねぇんだけど、可愛いイトコが呼んでんのにさ」
「マ、マリアさん!?なんでこんなところに…」
「失礼。女装趣味のある親戚の存在は早々に消し去りたいもので。さて、用向きは後日書面でいただくことにいたしますので、今は立ち去っていただきましょうか、セシル・ブラウン殿」
当初聞こえた声をすっかり忘れて思考に沈むハンスの耳に、再度同じ、いや、呆れたような面倒くさそうな、のんびりとした声がかかる。それに素早く反応したのはうっとりうっとりと瞼の重さと戦っていた海兵で、文字通り飛び起き、そしてぱちりと目を瞬かせる。
目の前に現れたのは月明かりに照らされ輝く金髪に目も覚めるような美貌のmaid。白い肌にふっくらとしたバラ色の頬。まつ毛は長く影を落とし夜の闇によく映える。闇を切り取ったような黒のロングスカートに対比的な純白のエプロン。いや、maidというこの単語はふさわしからぬ。確かに未婚、性行為は未経験であろうけれど、生憎処女ではなく童貞。つまりこの美少女にしか見えぬ生き物は生物学上コルデ・ハンスや隣の海兵と同じ「男」である。
「見張りご苦労さん。ねぇお兄さん、俺さ、ハンス兄さんとちょっと話したいんだよね?少し外してもらっていい?」
「いや…そういうわけには…仕事ですから」
「いいじゃん。今どうせ大将赤犬がいんだろ?なんかあったらすぐわかるだろうし、15分くらいで俺の話は終わり。な?頼むよ」
退けと言われて海兵がすぐに引き下がるわけでもない。そこでメイド服をまとった美貌の少年はとろけるような笑顔を浮かべつつ、お願い、と強く相手の袖を引く。今宵の見張りは初心な男でもあてがわれたのか、それとも美「少年」に迫られるという滅多にない経験による妙な興奮で判断が鈍っているのか、海兵は顔を真っ赤にし畏まりながら「わ、わかりましたよ!!少しだけですからね!」と念を押しつつ、その場から離れた。
「魔女殿の影響で?」
「いんや。が色仕掛けなんて無駄なことするかよ。そんなことしなくても上目使いに見上げりゃ一発だったぜ?」
「確かに」
頷いてコルデ・ハンスは母の生家であるブラウン家の放蕩息子を見下ろす。彼の父であるブラウン卿が知ったら卒倒しそうな姿だ。しかし男が着ているとは欠片も思えぬ、まるで違和感がないことが彼の幼少期を知るだけにハンスには不気味に映った。
「噂ではセシル殿が利用されているのはステップガールのようなメイド服だとか…そちらはどういった趣向でしょうか」
「なんだよハンス兄さん、そんなに改まってさ。俺と兄さんの仲じゃないか」
一年に一度会うか会わぬかという親戚とどういう「仲」になれるのだろうか。
ハンスは懐から金の懐中時計を取りだし時刻を確認する。
「15分。君が言った以上の時間は与えられない。何か用向きがあるのなら早々に言いなさい」
「用を告げるだけなら5分もいらねぇよ」
「その「要件」を私に了承させるかどうかの説得時間を考えているのか」
言えばぺろりとセシルが舌を出した。昔から悪戯、あるいはたくらみごとがばれるとする仕草ではあるが、この場合は自分の不利な状況を再確認したからだろう。
「ハンス兄さんにさっきみてぇな色仕掛けは意味ねぇもんな」
「我が主たる「さる高貴な女性」よりも美しき人など存在しない」
「はいはい。それじゃあそのクィーンがらみのお願いだ。で、その前に一応聞くけど。ハンス兄さん、今さっき赤犬が通ったと思うけど、コルヴィナス卿もいんだろ?どうせ」
「なんのことだ?」
まるで不自然に感じられぬ返答をした。間の取り方、声音の何もかもが「正直」にとれるものであったというのに、セシル・ブラウン、海軍本部では「食堂のマリアちゃん」などとふざけた呼び名をされているらしい貴族少年はとびきりのジョークを聞いたかのようにケラケラと笑う。
「俺に嘘は意味がないよ、ハンス兄さん。コルデ家の主になったって、みっともなくヴァスカヴィル卿のヴァレットに成り下がったって、それでもアンタは鉄のハンスだ。俺に嘘をつける、なんて思う方がどうかしてる」
月明かりの下で微笑む従兄弟は美しい。その美は魔女の持つ美にどこか似ている。海軍本部に魔女が滞在した時間にこの従兄弟が魔女と懇意にしていた話は聞いている。どことなく影響されているのか、それともこれこそがブラウン卿が長子を廃して貧弱な次男を宮につかせた理由なのか。
「俺の要件、目的、お願いはただ一つさ。ハンス兄さん、最近いろんなところで罪深い女たちが殺されている、その事件については知っているだろ?」
「私は、」
「あぁ、答えなくていいさ。別にいいんだ。兄さんはバスカヴィル卿の従者(ヴァレット)その燕尾服はよく似合ってるよ。赤犬と真正面からやりあってた姿も恰好よくて惚れちまいそうだった。だからアーサーの忠実な犬に主人の意に沿わぬ意見を吐けなんて非道なことを言いやしねぇよ」
否定しようと口を開きかけるハンスを遮って、メイド服の美貌の少年はゆっくりと目を細める。つらつらと吐かれる言葉は辛辣そのもの。ハンスの気にしている事柄を丁寧に刃物でなぞり錆びついたその刃で抉り出してくれる。
そうしてひとしきりその錆の味わいをハンスが感じたと判断した間ののちに、セシル・ブラウン。いや、今やすっかり海軍本部の「マリア」と呼ばれるに相応しくなった従兄弟はゆっくりと口を開いた。
「この俺を、コルヴィナス家のレディースメイドにしてくんない?」
誰も眠ってはならぬ
普段感情というものがまるで乏しく、平板、抑揚のない声で静かに語る従兄殿。その顔にはっきりとした感情が浮かぶ。その様を目の当たりにしてこれほどつまらぬことをしている己はいないだろうと、セシル・ブラウン、いや、マリアはさめざめと感じていた。
まるで魔女のような振る舞い。多少は愉快に思う心も沸いてくれるかと期待はしていた。けれどマリアの心にあったのは他人の傷口に塩を塗りこみ痛みを自覚させたという後味の悪さと、他人に理解されぬ種の罪悪感だ。
ハンス相手にこうなのだから、これから己がこのようにふるまい続けるたびにいったいどれほど己は嫌な思いをするのだろうか。こんなことを平然と続けていられたの、それこそ正気を疑いたくなる。別段マリアはこの言動が「素」と思い込めはしない。のように振る舞った。四候の貴族相手にはそれが有効な手段であると、そのように母親から聞いたことがある。母の妹はコルデ家に嫁いだ。他家の介入をほとんど許さぬ四家にどのように入り込めたのだと幼き頃不思議に思うて問うたことがある。その時に嫁いだ妹とは双子であった母からそう聞かされた。
マリアはドレーク少将の見るを、ずっと見てきた。マリアが憧れて病むほどのあの人の目線の先にはいつだってがいた。それであるから見ていた。だからのように振る舞うことは、さほど難しいことではなかった。
海軍本部、幽霊騒動。大将青キジに別段期待していたわけではないけれど、あっさり「敗北」しそうな色が濃くなってマリアはいい加減己も傍観者でいるのは時間が無駄だと理解してきてはいた。
そしてこの海軍本部、いや、マリアが「関わりたい」世界は己にはまだまだ早い場所、知識・経験の足りぬ場所であるということも理解している。リコリス、あの気に入らぬ大将秘書の二の舞だけはなるものか。未熟なものが高望みをして、ありとあっさり突き落とされる。そういう目には合う気はない。
そのために必要な振る舞いをマリアは承知していた。
「レディースメイド?奇妙なことを言うな、君は」
こちらの言動の意図を探るように、静かに、ゆっくりとハンスが首を傾げる。さまざまな可能性を考えるが、ハンスには「なぜ?」という疑問しか残らないようだ。
「レディースメイドはその名の通り、レディの一切の世話人だ。だが、現在コルヴィナス家に女性はいない。コルヴィナス卿に近づきたいのならその女装を止めてページボーイから始めたらどうだ。しかし、私には望んで階段下へ行くというその気は知れないのだが」
それを言うならアンタもだろう、とマリアは言葉を飲み込んだ。なら言ったかもしれないが、これは、さすがに「酷すぎる」言葉だ。
4候の貴族。他者を寄せ付けぬ孤高の貴族の当主であるはずのコルデ・ハンスが、なぜアーサー卿の使用人のように扱われているのだろう。赤犬の監視をするために身をやつして?いや、それならアーサー卿には子飼いでもっと有能な影がいる。ハンスは冷静沈着だがまだ十代なのだ。そんな大役を、アーサー卿ほどの男が任せるわけがない。
仮にも同列であるコルデ卿たるハンスにそのような扱い。圧倒的な貴族を、階段下の身分に追いやるなど、マリアには信じられないことだ。そしてそれを受け入れて従っているハンスも、これほど奇妙なことはない。
しかし今はその疑念を晴らす時間はない。約束の15分をしっかりとマリアはカウントしている。
マリアは従兄の的外れな提案に首を振り、ちらり、と屋敷の方へ視線を向ける。今頃先ほどドン、という低い音がした。赤犬どのが何やらブチ切れることでもあったのか。アーサー卿とコルテス卿のセットだ。他人の神経を苛立たせることにかけては天才的な二人、赤犬がうっかり屋敷を全焼なんていう展開になったら自分は腹がよじれるほど笑えるだろう。まだ出てくる気配はない。それであるからマリアは安堵し、そして魔女のようにハンスを見上げる。
「何寝ぼけたことを言っていんだよ、ハンス兄さん。耄碌したんじゃね?コルヴィナス家に女がいない?いるじゃねぇか。もう随分と昔から、ずっと前から、いるだろ」
「何を言って、いや……待ちなさい、セシル殿、それは、けして私は許せない」
「俺が欲しいのは兄さんの理解や理解じゃァない。ただ推薦してくれればいいんだよ。それともなんだ?コルデ卿というのに、同列のコルヴィナス卿への発言権もねぇのかよ」
ありありと、従兄の顔に苦悩が浮かんだ。冷静沈着、寡黙な男。そう評価され将来を期待されていても、それでも従兄は、そして己は「若い」のだ。他人の破滅への言動であっさりと神経を揺さぶられる。マリアはハンスが己を親愛していることを知っている。理解している。一年に一度会うか会わぬかという関係だが、それでもマリアは幼いころ、病弱な弟の世話につきっきりになる家族から見放され一人でいるところを、このハンスに救われた。自分はハンスを兄と慕い、そしてさまざまなことを教わった。その思い出がけして己を見捨てはしない。
そして「見捨てられない」その心が、破滅へと向かおうとするマリアの「提案」によって心を揺さぶられ、冷静沈着、寡黙なコルデ卿の仮面を引っぺがす。それが、はっきりと見えた。
ハンスが承諾するか否か、そのことを特別重要視はしていないのだ。ただこの場この言動により、ハンスが「崩れる」ことをマリアは目的としていた。そして、それは十分な結果と言えよう。
「……ミストレス・コルヴィナスの所在は不明だ。存在しているかどうかも怪しいもの。コルテス卿は仮面の制約により用心深い。ミストレスが不在であれば不要で、得体の知れぬ君を傍に置くとは考えられない」
「なぁ、ハンス兄さん。おれがはっきり言わないとわかんねぇの?おれはコルテス・コルヴィナスに近づきたいんじゃねぇし、アーサーの狸じじぃにも興味はねぇよ。おれは、全貴族のバックアップを受けて動いて、リリスを、お前らの女王陛下を探しに行きたいんだよ」
あのリコリスの顔が、悪魔の能力者が見る悪夢、そこの登場人物たる「リリス」に酷似していると、そうクザンの告白。マリア自身は夢など見ないし、四候の貴族でもないためリリスの肖像画を拝謁したこともない。
今この海軍本部で、いや、四候の貴族、魔女らすべてを巻き込んで何が起きているのか、わからぬが、しかしうっすらと見えてくるものはある。そしてトカゲの言動。「詩編が存在しているのなら、それはリリスの存在の肯定である」その言葉をマリアは信じた。
この場所に居続けて、マリアはドレークの大切にしていた「」の思い出を守ろうと、そう考えてはいた。赤犬がを思い続けてくれること、それは明らかなマリアのエゴであるが、その「現状」を続けることをマリアは望み、そして必死になっていた。ドレーク少将への真心であると、そう信じていた。
だがしかし、己のような「未熟」な身でそのようなことが続けられるわけもない。リコリスの二の舞だ。己以上の強者強者が、今を「変えよう」と動いている。それを必死に防ぐことは、マリアにはできない。
『何も変わらないで、ずっと、このままでいて』
かつてが望んだこと。箱庭を守り続けようと外敵を威嚇し続けた魔女ですら、現状維持ということは不可能だった。
マリアにはわかっている。「今」を続けることなど不可能なのだ。時が流れる、人が成長する。だから、いずれ赤犬はを忘れる。リコリスを愛する。それがマリアにはわかっていた。
リコリスがアーサー卿により赤犬の元へ派遣されたのなら、その思惑もあるのではないか。いや、マリアにはわからない。だが、投石されたことは感じた。
何もかもがごっそりと変わろうとしている。赤犬は「変わらぬ」としていても、それでも、かつて圧倒的な正義の体現者、悪を一切許さぬ男がを、魔女を、罪人を愛したのだ。赤犬が何も「変わらない」ことが不可能なことは、への愛が証明し、そしてその「事実」がを愛し続けるという未来を否定する。
「インペルダウンに保管されていたリリスの死体が消えていた。盗掘者も、何もかもが不明。手がかりは一切ない。それであるのに、君は彼女を探し出す「使命」を受けるというのか」
マリアはカマをかけた。
コルヴィナス家の不思議な「当主制度」については聞いたことはある。コルヴィナス家は代々男性当主が仮面を付けて一生を終えるのだけれど、その「当主」というのは「仮面」を付けてわかるように「仮初」であり、「代理」なのだ。
正統なコルヴィナス公はただ一人。
その最重要人物の名は、当然のことながらマリアは知らぬ。だが、を、いや、ある女性を「我らが女王」と慕う彼らだ。
それは能力者の悪夢に出てくる長い髪の女性なのではないか。
そして青キジと、そして今のハンスの言動から考えるに、それはと言えるのではないか。
ならば詩編が肯定する存在は彼女であり、コルヴィナス家の正統な女主人となる。
「いけないのか?俺さ、とは腐れ縁なんだよ。心友ってヤツが惚れてる男が、ぽっと出の女に言い寄られてるのって気分悪くね?」
リスクは覚悟している。
詩人シェイク・S・ピアの悲運極まりない反省はマリアの耳にも入ってきている。人の思惑に動かねばならぬ生き物。そしてその中で己の意志をはきりと持ち、崩されることのない自尊心を求められる理不尽さ。
リコリスの二の舞にだけはならぬ。
ある意味、マリアとリコリス、そしてシェイク・S・ピアは似ているのだろう。
ただ一つの「願い」のために他人の目的を受け入れて、そしてそれに人生をかける。
マリアはハンスの瞳に映る自分の姿を見つめた。普段とは違うメイド服は、マリアにとって「戦闘服」と言えた。以前たった一度だけ、ドレーク少将の任務に同行、いや、参加できたことがある。が貴族の集まりに参加するというからその護衛にドレーク少将。そしてドレークでは対処できぬ場所への守りのために女装したマリアが命じられた。その時に、マリアは自分の意志で女装し、そして纏った衣装がこれである。
この服はマリアにとって覚悟の現れ。
海軍本部の海兵たちが純白のコートに正義を背負い戦うように、マリアには、あの日あの時、あの人の隣で纏ったこの階段下の女の装いこそが、尽きぬあの人への誠意の証。
「ことは、ベロニカ・C・ベレンガリア、魔女の墓守を監禁し続けるコルデ家の、当主たるアンタにしか頼めない。その義務と責任、そして俺への愛情を今この場で果たしてくれよ」
誰も寝てはならぬ!
誰も寝てはならぬ!
貴方もですよ、お姫さま!
寒い部屋で星を見上げ 愛と希望に打ち震えながら!
私には秘密が隠されている 私の名前を知るものは誰もいない
さぁ、貴方にそっと口づけて打ち明けよう 日の光が眩しく照らす頃に!
私の口づけは沈黙を打ち破り貴方は私のものとなる
夜よ早く消え去れ!
星よ早く隠れてしまえ!
夜明けには、貴方を勝ち取ってみせる!
オペラ:トゥーランドットより
And That’s All?
(2011/01/24)
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