この話はR16くらいはあります。
でもって、内容があるといえば、まったくない話です。



読んで気分を害される可能性があります。








読んだら自己責任だからなぁあああ!!!!!





























ひんやりと額に冷たい感触、ドフラミンゴが緩やかに目を開けば緑とも青とも似つかぬ二色の入り混じったようなが見えた。それに真っ赤な薔薇。夢でも見ているのだと思った。その色には覚えがありすぎる。どうしたって今のこの状態で彼女がここにいるはずもない。嵐の吹き荒れる島の中(ドフラミンゴはあえてそれを選んだ)閉ざされた屋敷、厳重に鍵をかけて誰も近づくなときつく言い含めている、この己の寝所。数時間前から熱が上がり続け、朦朧とする意識。だから夢を見ているのかと、それにしては性質が悪すぎる、と、そのように思いながらドフラミンゴは卑屈な笑みを浮かべようとして、表情を、逆に緩めてしまった。こちらを見下ろす青い目が細くなる。ドフラミンゴの額を撫でながら、ゆっくりと、口を開いた。

「ばかだね、きみは」










ドフラミンゴもたまにはいい思いをすればいいというだけの話










「なんで、ここに、いんだ」

熱は下がらない。全身は燃える火のように熱く、しかしどこか悪寒がする。笑い話にもなりはしないが、なんのことはない、ドンキホーテ・ドフラミンゴ、季節性の風邪にかかったというだけのこと。普段であれば体調管理などできて当然、でなければ一流とはいえねぇ、というのが持論のドフラミンゴであるが、人生はイレギュラーな事態があってこそのもの。すっかり風邪を引き、寝込んでしまっているという、そんな、言葉にすればあっさりとしたその状況。

ドフラミンゴは苦しさでうめく己などには見せるものかと、意地を張り普段どおりの笑い声を上げられるよう勤めるが、水分の足りぬ体、喉からはかすれた声が出ただけだ。それを聞き、がわずかに瞳を揺らして、カチャカチャとサイドテーブルの水差しから透明なクリスタルのグラスに水を注いでいく。

「どうしてだろうね」
「くそっ・・・誰だ、お前にチクったのは」

グラスを受け取り口をつけて、ドフラミンゴは忌々しそうに吐き捨てた。自分が病に倒れているなど、誰にも言っていない。そんな情報が流れればどうなるか。知らぬドフラミンゴではなかった。恨みなど、吐いて捨てるだけでは足りぬほどに買いまくっている身だ。この自分が普段とは少し違う状況になっていたら、それを好機とばかりに挑み来る。ひとは状況を利用する。たとえ病の身であったところで油断などするドフラミンゴではないが、しかし、弱っている姿を人にさらしたくはなかった。たとえ返り討ちにして死体の山を築くだけの結果に過ぎぬのだとしても、それでも、人の目に、大胆不敵なドンキホーテ・ドフラミンゴ以外を晒す気はないのだ。

理由は違うが、に対してもドフラミンゴはこの姿を見せたくはなかった。こんな、たかだか風邪ごときでブッ倒れている男など、弱さなど、見せるのは嫌だった。を守れる、を助けられる、完璧な男であると、そう見せ続けたかった。

でなければ赤犬に勝てぬ。

そういう意地があって、絶対に自分の状況などに知らせぬようにと、言い渡しているはずだ。誰がこの自分に逆らっているのか、朦朧とした頭でも候補者を上げていると、ぴしゃん、との小さな手がドフラミンゴの頬をたたいた。痛みなどない。むしろ冷たい手が触れて気持ちがいいくらいだった。言っておくが、けしてM発言ではない。

「なんだよ」
「そういう言い方はよくないよ、あの子はきみをとても心配しているんだ」
「ベラミーか」

配下になっているあの若い海賊。将来性があるのかないのか、それはドフラミンゴにはどうだってよかった。ただ、自分についてくると必死に言うものだから、ついてこれるものなら来いとそういっただけだ。ハイエナのように笑う子供だ。ただのガキ。そのベラミー、のことをあまりよくは思っていない、というのは気付いている。といるときのドフラミンゴが嫌なのだ、と正面きって言われたこともあった。ドフラミンゴも自覚はある。どんなときでさえ、を前にすれば、鬼畜・外道、海の王者の面をあっさり捨てて、ドフラミンゴはただひたすらを甘やかしていた。を「悪意の魔女」と知る人間ならば、それはどうということもないのだろう。しかし、何も知らぬ、かわいいベラミー坊や。をただの子供だと思っている。ただのわがままな子供。それが、自分の崇拝するドンキホーテ・ドフラミンゴを翻弄しているのが気に入らぬと、そういうことらしかった。

だからベラミーとの仲、それほどよろしくもないはずで、しかし、は妙に、ベラミーを気にかけていた。それがドフラミンゴには気に入らぬ。だけれどは、昔から、妙な子供を気に入る。それをベラミーもわかっている。だから、ドフラミンゴが風邪を引き、その強すぎる警戒心、誰にも心を許して折らぬ性格、一切の看病の手を拒んでいる状況に、折れたのだろう。気に入らぬにもあっさり頭を下げる。ドフラミンゴへの、それは真の忠誠心かどうか、やはりドフラミンゴはどうでもいいのだ。

は何も言わなかった、もう一度困ったように眉を寄せて、ドフラミンゴの掛け布団に隙間がないかどうか確認して、息を吐く。

「きみって、人を信じないの?」
「どうでもいいんだよ。んなことはな、違う意見は利用してねじ伏せる。力がありゃ、それでいい」
「きみはじゅうぶんに強いでしょう?今以上に、力が欲しいの?」

は何も欲しがりはしない。だからひとが何かを欲しいと強く願うその心を問う。けれど興味があるのかどうか、とそれは別の話のようだった。ドフラミンゴは言葉では答えずに、ただ頷く。力、力がすべてだ。

(力がありゃ、お前をあの大将から引き離せるじゃねぇか) 

ドフラミンゴには、が「気に入る」ような要素は何一つないらしい。かつてが慕った、ロジャーや魚人、威勢のいい船大工見習い、小物にしか見えない道化の男、水の都の市長、その弟子の船大工。の「とくべつ」になった者は多くいる。けれどドフラミンゴは、なれなかった。何一つ、自分の何もかも、には届かない。それなら、できることは一つだけだ。圧倒的な力で、今のを抱きしめて離さない腕を切り落とし、引き寄せるしかない。

「ばかだね」

ドフラミンゴの持論・信念をあっさり否定する。それがでなければドフラミンゴはそれこそ、相手を馬鹿だと思っただろう。だが不快に思うこともなく、むしろ「ばかだね」と言ったのその顔に見惚れた。普段つけているサングラスも今はないため、それに熱の所為で視界もそれほどよくはないけれど、ふわり、とが微笑んだのがはっきりとわかる。

ゆるやかに吐息を吐いて、が目を伏せる。その瞼の白さ、手を伸ばして触れたくなりながら、布団の中の手を握り締めた。ドフラミンゴは本当は、今のこの状態では喋ることも辛かった。今回は本当に酷い風邪で、咳き込めばにも移すのではないかと気になって堪えているが、口を開くのも辛い。しかし自分が喋らなければも黙る。黙っているもいいが、話をしたい。

「お前だって、誰も信じちゃいねぇだろ」
「意味がないからね、ぼくには」
「悲しいねぇ、フッフフフ。おれのこともか」

普段どおりに笑えばけほり、と喉が咽た。顔を顰めていると、がドフラミンゴの喉を撫でる。

「ちゃんと寝ていなよ。誰もきみをいじめやしないから」

が触れば、喉のひどい痛みも消えるような気がした。何かしているのか、と問おうとしてドフラミンゴは止める。の力のことを聞いたところでわかるように説明をしはしない。理解したいと強く願うほどわからなくなる苛立ちが増す。

「寝ないの?」
「お前がいるんだ。もったいなくて寝れやしねぇよ」
「困ったバカ鳥だねぇ。治らなくてもいいのかい」

それでがずっと自分のところにいてくれるのなら大歓迎だ、と言おうとして、ドフラミンゴは眉を寄せた。先ほどから思考が弱くなってねぇか、風邪で気が弱っているらしい。

それにしても、かいがいしいの看病、普段の姿からは想像もできぬ。彼女は多くの有力者たちに当然のように傅かれている。このように過保護な母親か何かのように、他人の、とりわけドフラミンゴの看病をしている姿など、冗談か、それか夢、新手の嫌がらせとしか思えない。しかし考えてみれば、普段赤犬にはとことん従順なである。そしてその従順さにはこれっぽっちも無理がない。つまりは、これまでドフラミンゴは気づきもしなかったが、本来という、その生き物の本質は他人に尽くすことに長けた能力を身に着けているのかもしれない。

妙な居心地の悪さをドフラミンゴは覚えた。には普段どおり傲慢に尊大に振舞ってもらわねば、普段どおりの調子が出ない。なまじ、今のこの体調ではそんなの、冗談のような優しさに戸惑うしかなかった。戸惑う?おいおい、冗談だろう、とドフラミンゴは顔をしかめた。この己が、この、ドンキホーテ・ドフラミンゴが、見かけは10歳程度のガキを前に、思春期の鼻をたらした若造のような反応。忌々しい、と舌打ちをしてドフラミンゴは上半身を起こした。が額においたタオルがぱさり、と落下してひざの上に落ちる。そのままベッドの脇に腰掛けていたの体、腕を掴んで、ベッドの下に押し倒した。

真っ白な大理石の上に、の真っ赤な髪がちらばる。処女の破瓜の血のような色だと思えば、喉が鳴る。の青い目がわずかに揺れた。

「熱でおかしくなったね」
「あぁ、そうだろうよ。じゃなかったら、お前にこんなことできやしねぇ。フッフフフ」

大きなベッドの下は固い床だ。絨毯でも引いてよけばよかったと思う。しかしドフラミンゴは素足でぺたぺたと音を鳴らして歩くのがすきだった。それに、絨毯を敷かねば侵入者が来たときにわかりやすくなる。そういう警戒心の強さ。しかし今はの背が痛みやせぬかとそういう心配がある。は突然のことに目を見開き、ぱちりと瞬きをしてドフラミンゴを見上げている。押し付けられた体は小さい。ドフラミンゴの半分しかない。この真っ白い体に今の自分のこの熱をぶちこめばどういう気持ちになるのかと、そんなことを考える。倒されたの体、太ももがドフラミンゴの腹に当たった。ドフラミンゴはの足を割って体を滑り込ませると、しゅるり、との首につけられたチョーカーを外した。露わになった首元を掌でじっくりと撫で、左耳の下から鎖骨、心臓の上までの肌を堪能する。指先でわずかに触れるだなどとまどろっこしいことはしない。手の指、腹爪、掌、親指の付け根からすべてを使いの首に触れた。首の左側には茨に巻かれた薔薇の刺青が刻まれ、見るたびにドフラミンゴの頭はカッと血が上る。今夜もそうだった。薔薇を剥してやりたくて爪を立てればの体がびくん、と震える。

「…は、ん…」

漏れたのは拒絶の言葉ではなかった。明らかに快楽の線に触れられたことを示す吐息。ほかのどんな場所よりも敏感にできているらしい。ドフラミンゴが我に返ってを見つめると、瞼を震わせながらが唇を噛む。

「…止めて」
「止めると思ってんのか?」
「我慢できなくなる」
「する必要ねぇさ」

黙らせようと唇を塞ぎ、閉じられた歯をこじ開けて舌を絡め取る。上等の酒以上に酔えるの唾液を飲み込み、逃れようとする舌を追いかけた。息苦しそうに自分の胸を叩いて来る手は邪魔だと思って頭の横に押し付け、そのままぺろり、と唇を舐めた。

「あの野郎はいつもお前のここを弄ってんのか?」

今度は舌先で念入りに薔薇を嬲る。の眉間に皺がより、切なげに震える唇を指で触れた。脳裏に焼け付く赤犬への嫉妬を押さえ込みながら、からかうように言えば、が顔を逸らす。

「ばか、かい?きみは、ぼくとサカズキはそんな・・・関係じゃ、ない」
「フッフフフそりゃ、嘘か、それとも冗談か?笑えねぇぞ」

20年前のあのストイック一直線、性欲なんぞ生殖行為以外で必要ないときっぱり言い切るような男だったサカズキ中将ならいざ知らず、の尻にセクハラかますことを「息抜き」と称しているような、あの赤犬がいまだにとそういう関係になっていないなど、絶対に信じない。

しかし、ふとドフラミンゴは思う。は嘘などつけぬのだから、「そういう関係ではない」というのは本当だろう。しかし、絶対にあの大将は手を出している。つまり?

「……あの変態」
「な、なぁに?突然」

思い至ってぼそり、とつぶやくドフラミンゴの低い声にが眉をひそめた。いや、答えなど簡単だ。「そういう関係」とがいうのはつまり、愛の行為(笑うところ)を交わす間がらではない、恋人ではない、とかそういう、感情面での否定だろう。ドフラミンゴがに触れる場合は、それはもう愛しさを溢れ出させる行為になるが、つまり、あの、バカ、じゃなかった大将どのは、縛ったりなんだりという、完全一方的な行為を強いている、ということだ。

海賊の自分がいうのもなんだが、あの野郎は本当に捕まった方がいいじゃねぇかと、ドフラミンゴは心底思い、の胸に顔を付ける。埋もれるほど胸はないのが惜しい。そういう様子に気づいたか、が顔を引きつらせる。

「いますっごく失礼なこと考えたでしょ」
「いや、普段だったら、ここで張り飛ばされてるはずじゃねぇか?って考えてた」

言えばが嫌そうな顔をする。

「・・・病人だからね、キミは」
「それだけか?」

ドフラミンゴはの耳の後ろを舐め上げ、右手の指は胸の先端を念入りにこね回した。切なげな吐息とか細い声がの小さな唇から漏れた。左手を右腹のアバラからじっくりとへその下まで這わせればもぞっと、が膝を動かす。にやりとドフラミンゴが口の端を吊り上げ、の目じりを舐めた。影を作るほど長い睫が快楽に耐えようと必死に震えるさまが見えるのは気分がいい。

「おれに触られて、やりたくなっちまったんだろ?」
「…自惚れ、だ、よ」

熱の出ているドフラミンゴの体が、の冷たい体を熱くする。なるほど、あの大将はいつもこんな気分なのかと、しみじに思った。自分の熱がの体に移るのは欲を注ぐほどの征服感がある。の体は保護欲を掻き立てるのと同時に男の征服欲を刺激した。ドフラミンゴは普段から嗜虐心が強い方だが、こうして熱っぽいの目を前にすると、その心はさらに煽られるばかりである。こうして目の当たりにすれば、なるほど多くの男がを前に耐えられなくなっている、というのもわかる気がする。普段の自分であればこんなことは絶対にしないが、やはり熱で頭がおかしくなっているのだろう。

「やっ・・だめ、そこは・・・・」
「フッフフフ、だめなのか?」

の腹部にあるウンケの刺青をついっと舌でなぞれば、の体がビクリ、と跳ねた。拒むように膝を閉じ、間のドフラミンゴを拒もうとする。しかしそんな程度で止めるわけがない。ドフラミンゴは、今の力と立場はどちらが上なのかをはっきりとさせるため、いささか乱暴にの膝をぐいっと、開き、内股を引っかいた。

「だめ・・・やっ・・・やっ!!ドフラミンゴ・・・!!」

いっそう切なくの声が震える。普段の勝気で傲慢尊大な様子も愛らしいが、あのがこうして自分にいいようにされて快楽に翻弄され、それを拒もうと懇願する、それがたまならい。笑いがこみ上げてきて隠そうともせずの腹部に顔を埋めたまま低く笑えば、がぐいっと、ドフラミンゴの髪を引っ張った。

「い、いい加減におしよ、このバカ鳥…!!嫌われたいのかい…!?」

普段どおりの声、口調である。ドフラミンゴはやっとほっとして、に髪を掴まれるままに顔を上げ、目を細める。

「なぁ、、おれはお前に嫌われてんだろ?」
「…そうだよ」
「フッフフフ、ならどうなろうと関係ねぇじゃねぇか。何が困る?」

普段であば「嫌いになる」といわれてドフラミンゴはあっさり引き下がる。そういうお決まりのやり取りだ。しかし、ここまで熱も上がっている以上、ドフラミンゴ、少々、意地の悪いことをしてみたくもなった。自分の髪を掴むの手を取り、その小さな指を口に含む。指先、第二間接、付け根までしっかり咥えてしゃぶり、音を立てればの喉がごくり、と鳴った。食欲も睡眠欲もにはないが、確実に性欲は持っていると、ドフラミンゴは気づいている。こちらの明らかな挑発に瞳を揺らしながら、しかし、は耐え、ゆっくりと息を吐いた。

「もう二度と、キミに会わなくなる。何があろうと、たとえ隣にいたとしても、きみはぼくをわからなくなる。どれほど思っても、考えても、もう二度と、きみはぼくに会えなくなる」

かつてが心底懐き、そしてかわいがっていたにも関わらず、あっさりとに手を出して二度と会えなくなっているという赤髪のことを思い出す。何があっても、けして会えないのだと、そう言っていたのは感情的な問題かと思っていたが、しかし、そこに魔女の力が働いていたとしたら?

ぴたり、とドフラミンゴは笑いを止め、目を細める。

「そりゃ、困るな」

呟き、の頬を手で触れた。

「あぁ、そうだ。それは、困る。おれはお前に嫌われても罵られても無視されても気にしねぇし、なんでもねぇが」
「そこは多少気にしてね」
「茶化すな。フッフフ、それは、困るんだよなぁ。おれはお前がおれの視界にいるだけで興奮できるし、お前の声が聞こえるだけで突起できるほど惚れてんだ」
「何普通に変態宣言しているの、っていうか、ちょっと、ごめん、さっきから何か当たってるんだけど」

下半身をもぞっと動かすが困ったような顔をする。ドフラミンゴはきっぱりと言い切った。

「フフフフッフッフッフ、当ててんだよ」
「こ、この変態・・・!!」

が素直にドン引きして顔を引きつらせた。そういう顔が本当に愛らしいと末期極まりないことを考えながらドフラミンゴはの顔を掴む。

「おれはお前が好きだ。好きだ好きだ、大好きだ。お前に触れてるだけで今にも射精しちまいそうなんだ。だがなぁ、。そうしてお前におれを押し付けて、その後二度とお前に触れねぇってんなら、お前に会えねぇってんなら、おれはここで去勢されちまったっていいんだぜ」

心の底からの本心である。盛大な愛の告白と捉えてもらったっていいほどの言葉だったのだが、は「変態宣言」と取ったようだった。気色悪そうにこちらを見上げる目、うっとうしくて仕方ないと、ドフラミンゴをごみか何かのように見る目。それがたまらず、本当にこのまま射精してやろうかと思った。

「このぼくがどうしてきみの汚いものを切り落としてあげないといけないの、自分でやりなよ」
「ッフフフフ、そこはほら、お前のあるかないかわかりもしねぇ優しさってやつで頼むよ」
「やだよ」
「フッフフ、それと汚いもの、ってのは酷ぇな。これが欲しくて泣く女は五万といるぜ?」
「本当に五万人くらいいそうだから怖いよね」
「嫉妬か」
「死ねば良いのに」

にこりと、それはもうかわいらしい笑顔でが微笑む。

「お前になら殺されても構わねぇさ」

このの小さな手が自分の首を絞めるときを想像してドフラミンゴはくらくらと眩暈さえした。そのままぐいっと下半身を押し付けた。

「やっ、ちょっと、押し付けないでよ!!ホントに切るよ!!?」
「お前にならいいっつってんだろ?」

顎のラインを指でなぞり、開かせた足の付け根を軽くかめばの体から力が抜けた。真っ白い下着は間違いなく濡れているがそれを指摘するのは意地が悪すぎる。しかし放っておくのも惜しいので、ドフラミンゴは下着ごしにその部分を撫でた。

「んっ・・・ぁん、ん・・・、ぁ」
「このまま犯しちまってもいいのか?嫌なんだろ?おれにお前を奪わせるなよ」

抵抗しようと上がる足を片方掴んでしゅるりと靴下を脱がせる。卵を向くようにあっさりと、滑らかな肌が表れた。誘うような色香を放つ足をそのままに舐めればが眉を寄せる。

「…体を起こしなよ、バカ鳥」
「アン?」
「ベッドに背をつけて、大人しくしてて」

くいっと、がドフラミンゴの胸を押す。小さな力だが、従って体を起こし、膝の上にを乗せた。そのまま何をするのかと思えば、、ドフラミンゴの両足をぐいっと両手で開かせてそのまま身を滑らせる。

「おい、お前まさか」
「・・・いくらぼくでもね、去勢はちょっとしたくないよ。とくに、キミからキミの象徴みたいなエロを奪うのもどうかと思うし」

は観念したようにため息を吐いて、ドフラミンゴの股間に顔を近づけた。一瞬嫌そうな顔をして、ドフラミンゴを見上げる。

「・・・・二度目はないからね」
「・・・・本気か?」
「このまま止めさせれば、辛いっていうくらいはわかるからね」

しゅるり、とはドフラミンゴのズボンの紐に手をかけると、器用に解いていった。すぐに硬くなったドフラミンゴ自身が飛び出してはためらう。体の大きさからある程度のサイズは予想していたが、これほどとは思わなかった、と顔に出ている。

「・・・・きみ、こんなのぼくの中に入れようとしてたわけ?」
「おいおい、女のアソコは赤ん坊が出てこれるんだぜ?おれのくらい慣らしゃどうにでもなるだろ」

は猛烈に後悔していた。こんなの咥えるなんて絶対無理だ。顎が外れる。というか、これ、自分の口に入りきらないんじゃないか?そう思っているのが素直に顔に出ている。眉を寄せてじっとドフラミンゴ自身を見つめているその頭に、痺れを切らし、ドフラミンゴはの頭を押さえつけた。

「んっ」
「あんまり焦らしてくれるなよ。お前がおれのモンを見てるってだけでさっきからいっちまいそうなんだ」
「……顔にかけたら殺すからね」
「おい、まさか飲んでくれんのか?」

その問いには答えず、はそっと、両手でそれを持ち、ぺろりと先端を舐めてきた。どくどくと脈打ち、膨張するペニスのほんの表面のやわらかなところにの舌先が当たる。感触を確認するように舌で押されドフラミンゴは顔を顰めた。が立ち上がるペニスの裏筋に唇を這わせつつ、指でドフラミンゴの内股を撫でる。くいっと、的確な動きにドフラミンゴは息を詰まらせた。

「・・・っ、おい、慣れてんじゃねぇか」
「ぼくに夢を見るのはミホークだけで十分だよ。何年生きていると思っているんだい」
「赤犬にもフェラしてんのか?」

直接的な物言いにはカッと顔を赤くした。墓穴を掘ったかとドフラミンゴが顔をしかめると、その前にが再度ドフラミンゴを口に含み、舌で責め上げる。

「フ、ッフッフ・・・フッ・・・!!なんだ、怒ったのか?」

乱暴、とさえいえる愛撫に、しかしドフラミンゴは気をよくした。こういう意趣返しなら望むところである。舌技に長けているなど、ミホークが知れば卒倒しそうだが、確かに、ウン百年も生きていて、本番をされるよりは、と口ですることで回避していたのだろうと思い当たる。自分がまさにその立場になっているわけか。ドフラミンゴは目を細め、その他大勢にこの自分が入れられていることにいささか気分を害し、の頭を押さえつけ、一気に喉まで突っ込む。

「・・・んっ・・・ん!!」

カチカチとの歯が当たるがかわいらしいものである。そのまま無遠慮に口内を犯し、掴んだ髪を引っ張って上下させる。の顔が苦痛にゆがめられ、目じりに涙が浮かんだ。いささかやりすぎたかと力を緩めれば、がドフラミンゴのものから口を離し、にらみつけてくる。げほげほと苦しそうに咽せ、先走った精液が唇に付着する。それを指で拭い、どうするのかと見ていると、は眉を寄せて自分の指をぺろりと舐めた。

「……」

たまらず、ドフラミンゴは自分の顔を片手で覆う。

「なぁに?」
「いや、まさか舐めるとは思ってなかったぜ」
「濃いね。たまってるの?それに熱い。熱、上がったんじゃない?」

そういえば病人である。言われればドフラミンゴは体調不良を思い出し、くらりと眩暈を感じた、顔を顰めているとが面白そうに、ぐいっと、ドフラミンゴの膝に身を乗り上げる。

「ちゃんと全部出していいよ?ぼくにも責任、あるしね。ちゃんと飲んであげる。病人には、時々優しいのさ、ぼくはね」

きっぱり言って、はそのまま再び下半身に顔を埋めるとドフラミンゴの先端を吸い上げた。




+++




射精した瞬間、体中の熱も外に吐き出したのか一気に体が軽くなった。しかし、特有のけだるさがないわけではない。つめていた息を、荒く吐き出し、びっくりと目を丸くしているの顔をそっと撫でた。

「……」

ぽたぽたと、の顎から白い液体が滴り、白い胸や腹に流れた。臍に垂れたドフラミンゴの精液がそのままの両足の間にまで流れるのを見てドフラミンゴの下半身が再度疼く。達したばかりだというのに反応し始めたそれにが気づかぬわけがないのだが、顔にかけられた瞬間何がおきたのかわからぬ様子で、ただ呆然と、目を瞬かせていた。

「……顔に、かけたら殺すって、ぼく言った」

しかし次第に頭が動き始めたのか、ぽつりと呟き、眉を寄せる。

「悪い」
「そう思ってるなら指で拭いて」

そんなことで許してくれるのなら安いものだ。ドフラミンゴはの顔に付着した自分の精液を指で拭う、その手をが掴んで指をしゃぶった。

「…おい」
「……ちゃんと飲むって約束したからね」

ん、との喉が鳴る。直接口に注いだわけではないが、苦いだろう、に味覚はないはずだが、なぜか味がわかっているような気がした。ドフラミンゴはためらいながらも口から指を引き抜き、顔にかかっている精液をまた指に絡めた。そしてまたそれをが舐める。

「………におい、嫌だね。ぼく、このにおいが嫌い」

まぁ、そうだろう。ドフラミンゴは低く笑ってからの耳に唇を寄せて耳たぶを軽く噛む。もぞっと、が膝を動かした。

「お前はどうすんだ?まだいっちゃいねぇだろ?フェラの礼だ。舌と指だけでやってやるぜ?」

ようは直接入れなければいいのなら、手段はいくらでもあるもの。ドフラミンゴ、前座等には自信もあった。指と舌の技で喜ばなかった女はいない。になら何時間も年いりに愛撫をしてやることだってちっとも苦労ではない。むしろ切なくなるの声を聞いていられるのなら望むところだ。

「うるさい…君になんて頼らないよ」
「じゃあどうすんだ?」
「自分でするに決まってるだろ」

マジか、と思わず聞き返してしまった。は「何当たり前のことを言っているの」と面倒くさそうに返す。こういうときに魔女の羞恥心がわからなくなる。膝枕やら手をつなぐことには顔を真っ赤にして叫ぶのに、どうなっているのだろうか。

「見学希望していいか」
「馬鹿かい、君は」

きっぱりはきすててはドフラミンゴから離れる。その腕を引っ張り、ドフラミンゴはを腹の上に乗せた。

「ここでしろよ」

かなり真剣に言うと、の顔が引きつってひょいっと振られた腕、現れたデッキブラシがそのままドフラミンゴの頭を引っぱたいた。








Fin