白々しい嘘など突ける生き物だと自らを過信したことこそなかったが、しかし、普段の物言いすら人には「分かりづらくてごまかされているように聞こえる」と眉根を寄せられる始終、ならば己の平素のままの会話であっても、真意を人に知られることなく過ごせるのではないかと、そういった予感めいた、革新的な悪意は確かにあった。
ミホークはゆるりとソファにくつろぎながら、片手で優雅にワイングラスなんぞ傾けつつ、目の前でふてくされている色彩のド派手な男を眺めた。はっきりいって邪魔である。己にあてがわれた部屋ででかいずうたい縮めていじけるのであればミホークも文句など言わぬが、それを自分の部屋でやられると中々癇に障る。それが分かっていてやっているのならこの男をドMからSに昇格させてやってもいいが、ドンキホーテ・ドフラミンゴ、器質的にはドSだろうに、このしばらくはすっかり、怯え覚える子供のよう。